フィクション

蒸し風呂守衛室 後編

前編のあらすじ 精神疾患のために勤務先を退職した僕は、郷里の町に帰り、障害者枠で、鶴亀商店の守衛室に職を得た。梅雨に入り、守衛室は容赦のない暑さに見舞われる。 蒸し風呂守衛室 前編 - Thursday's Child その日、鶴亀商店の守衛室の扉を開けた僕は、…

蒸し風呂守衛室 前編

鶴亀商店は、この地域では少し名の通った、建材卸の商社だった。商社といっても、三菱やら三井やらといった華やかなものではなく、地元密着型の、色あせた白い軽トラックやハイエースが出入りするようなところだった。そこに勤めているのは、スーツの似合う…

変な国などない 後編

前編のあらすじ 都会大学に入学した「僕」は、新入生向け合宿に参加し、自己紹介の時間を待つことになった。 変な国などない 前編 - Thursday's Child まず、冒頭に教職員と、合宿を企画した二年生4人とが、自己紹介することになっていた。教職員の自己紹介…

変な国などない 前編

晴れて都会大学の地域研究学科の試験に合格した僕は、4月に、学科の主催する、一年生向けオリエンテーション合宿に参加することになった。大学の仕組みを学び、学生どうし、また、学生と教職員とが、親睦を深めることが狙いだ。 地域研究学科はこぢんまりと…