Virtual Insanity ~バーチャル・インサニティー~

生活、時事問題、趣味のことなど幅広く、日々思うことを綴っていきたいと思います。

人文学は役に立つのか

人文学、言い換えると「文系の学問」は役に立たないという議論があります。

私は、人文学は役に立つと思います。

その理由を説明します。

 

人は生きていくうえで、何らかの信念をもっていると思います。「信念がない、もたない」というのも信念です。そうした信念が集まったものが、組織なり、社会なり、国なりの理念になるといえると思います。人は、そうした信念や理念に基づいて、日々の行動を無意識的にせよ、意識的にせよ、決定しています。

そうした信念や理念のもとになるのが、事実(客観的な事件・現象)やフィクション(「こうあったらいいな」という空想)であると思います。

人文学の役割は、まさにこの事実やフィクションの意味するところを、肯定的に、あるいは批判的に、あるいは多面的に検討することだと思います。

こういった検討する作業が、社会に多様な意見が存在することを許し、社会や個人が時代を切り拓く原動力になっています。

こうした、事実やフィクションを検討する目を養わなかったり、多様な意見の存在を禁止すると、組織はカルト化し、国であればファシズムに走ることになります。「カルトもファシズムも歓迎」という信念もあるかもしれません。それはそれで残るでしょう。ただ、カルトやファシズムは、権力を握ったごく一部の人たちが、大多数の人たちの個人の自由や尊厳を極限まで奪っていきます。したがって、大多数の人たちには、かなり生きづらい世界、生きているのか死んでいるのかわからないような世界を出現させます。人文学の役割のひとつは、カルトやファシズムというものがあるということを認知しつつ、そうした社会が来ないための防波堤となることだと思います。

 

公立大学の文系学部を廃止するという話題が出たことがありました。こうした動きは、日本社会のカルト化、日本社会へのファシズムの浸透を推し進めることになります。私は、文系学部も理系学部と同様、日本社会を発展させるために、大いに役に立つと確信しています。