松たか子『ありのままで』 の感想

もう、すごい。

映画の中で歌われているのを観て、聴いて、恥ずかしいのですが、涙、どばーとあふれました。

 

若き女王エルサの心が解放される様子を、もう、これ以上はないだろうというくらいに、見事に表現し切っていました。

 

この歌は、2014年に日本を席巻した、ディズニーのアニメ映画『アナと雪の女王』(原題 "Frozen")の挿入歌です。解説なんて要らない歌ですよね。このアニメは、身の周りに観た人が何人かいて、絶賛していました。また、May J.さんが紅白歌合戦で歌う『ありのままで』を、私はラジオで聞いていました。そして、かなり心揺さぶられたのを今でも思い出すことができます。そういうこともあって、この映画のことが気にかかっていました。

そのMay J.さんが先日、ラジオのトーク番組に出ていて、『ありのままで』の歌詞は、アニメの登場人物・エルサの英語での口の動きに合うよう、訳詞を付けたとお話しされていました。それで、にわかに興味を掻き立てられ、レンタルしてみました。

 

 

アニメ映画『アナと雪の女王

 

 映画のストーリーは、こてこてのハリウッド風味です。しかし、映像、音楽、台詞、どれをとっても一流の仕事で、たしかな見応えがあります。全編にわたり、これら、映像と音楽と台詞の間に連携したリズムが感じられ、それらが、そろっているところは、大きな見所です。

 

ユーモラスな場面も、ふんだんに盛り込まれていて、おおいに笑いました。劇場だと、人目をはばかって、自宅で観た時のように笑えなかっただろうなと思いました。

 

また、エンドロールが終わった後に、ディズニーらしい隠し味が仕込んであるので、これから観ようというお方は、お見逃しなく。

 

 

挿入歌 松たか子『ありのままで』

 

話を『ありのままで』に戻します。

 

『ありのままで』はそれだけを聴いても、胸に迫るものがある名曲なのですが、映画の中での使われ方を知って、その感動は何十倍も深いものとなりました。すがすがしい、そして、情熱あふれる「自分賛歌」だといえると思います。

 

子供も観るアニメの挿入歌なので、とてもわかりやすいストレートな詞です。この詞に使われている平易な語彙や表現との付き合いは長いものです。そのように語られているからこそ、メッセージが、骨の髄まで沁み通る感覚を覚えました。

 

松たか子さんを、平凡な二世タレントだと思っていたのですが、彼女の力量に圧倒されました。松さん、誤解しておりました。謝ります。

 

なお、May J.さんの歌う『ありのままで』と、松たか子さんのその歌との関係を、映画をご覧になっていない方に簡単にご説明いたします。

松さんは、映画に登場するヒロインの一人、女王エルサの日本語吹き替え版の声優を務めておられます。この映画は、随所に台詞が音楽に乗って語られる場面が登場します。つまり、台詞が歌になっている場面があるのです。『ありのままで』はそうした中で歌われる、エルサの心境を歌ったものとして、出てきます。したがって、松さんが歌っておられます。

一方、May J.さんの『ありのままで』は、エンドロールの時に流されます。名場面プレイバックのサウンドトラック版という位置づけだと思います。なぜ松さんのバージョンを用いなかったのかという素朴な疑問があると思います。私は、それは、『ありのままで』を歌ったエルサは、もう過去のものなんだよ、エルサは成長したんだよというメッセージだと捉えました。また、今度は新しい「ありのまま」の自分をエルサを含めた、みんなが生きるんだよという思いを感じました。

 

松たか子さん、May J.さんの『ありのままで』、比べたくなりますが、甲乙つけがたしというのが私の本当のところです。

 

 この歌に勇気付けられて、一歩を踏み出す人、踏み出した人、世界中に、きっとたくさんいるんだろうなと思います。私にも将来、そんな日が来るかもしれません。とてもすばらしい歌です。

 

 最後に、まだ、この映画を、ご覧になっていない方は、ぜひ、テレビのボリューム大きめで鑑賞なさるとよいと思います。より深く物語の世界に入り込むことができます。